御所浦島に分布する白亜紀の浅い海や干潟でたい積した地層(御所浦層群江の口層および唐木崎層)からは時折、エビやカニなどの仲間(甲殻類、正式には十脚類)の化石が発見されます。化石採集体験ができる化石採集場や採石場跡地から利用者によって採取された貴重な化石が御所浦白亜紀資料館に多く寄贈されており、この中にはエビやカニの化石も含まれます。
これらについて、3種の新種の化石が含まれることが岐阜県にある瑞浪市化石博物館の安藤佑介学芸員と御所浦白亜紀資料館、御所浦町の島田一良氏との共同研究で明らかとなりました。この報告を今年(2020年)に発行した「御所浦白亜紀資料館報第21号」で行っています。
これまで御所浦白亜紀資料館で収蔵されている御所浦層群のエビやカニ化石の多くについて詳しい分類学的検討がなされていませんでしたが、調査研究のため何度も天草に訪れている安藤学芸員がこれまで知られていない種が含まれることに気づき、研究を進めてきました。
【化石の意義】
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